映画『ウィケッド 永遠の約束』の公開が2026年に控える中、その続編となる『ウィケッド3』の実現可能性がファンや業界関係者の間で熱く議論されている。前作までで完結したと思われた物語だが、シリーズの大成功と強固なファン基盤を受けて、ユニバーサル・ピクチャーズはユニバース拡大を模索している状況だ。マーケティングの最新動向から、制作側のスタンス、そして物語展開の可能性まで、3つの具体的な展望から『ウィケッド3』の行方を探る。
続編・スピンオフの制作予測が業界内外で高まるなか、ユニバースの拡大はハリウッドの成功事例を踏襲しつつも、『ウィケッド』ならではの世界観とファンの期待にどう応えるのかが大きな鍵となる。加えて、キャストや原作者のコメントからは新たなストーリーの種が感じられ、ファンの関心をさらに刺激している現状だ。2026年に向けて期待される動向は、どのような方向性を持つのだろうか。
これから語られる3つの可能性は、それぞれ違った側面から『ウィケッド』ユニバースの未来像を描き、映画続編の実現に向けた重要なヒントをもたらすだろう。
『ウィケッド3』の実現可能性:ユニバーサル・ピクチャーズの戦略とファン心理への影響
ユニバーサル・ピクチャーズのマーケティング責任者マイケル・モーゼス氏は、『ウィケッド』の大成功と熱狂的なファン層の存在を踏まえ、「ユニバースをどう拡大するかは我々の大きな責任だ」と明言している。しかし、具体的な計画はまだ固まっておらず、「いくつかの動きはあるが、確定ではない」というのが現状だ。これはハリウッドの傾向にも合致し、大ヒット作品の魅力を長期化させるため、続編やスピンオフの模索は必然的な流れとなっている。
この背景には、2026年の映画界において新規IPの獲得競争が激化し、既存の成功作を活用して着実に収益を上げる戦略が浸透している点も見逃せない。更には『ワイルド・スピード』や『マーベル・シネマティック・ユニバース』の例が示すように、ユニバース拡大がいかに経営に寄与するかが業界全体で共有されている。
この状況はファン心理にも影響を及ぼし、映画を超えてゲームやグッズ展開、さらには配信サービスでの展開が期待される中、制作の早期決定を促す圧力ともなっている。こうした多角的なマーケティング展開こそが、『ウィケッド3』の実現の土台となるだろう。
可能性1:グリンダに焦点を当てたスピンオフの制作
アリアナ・グランデ演じるグリンダを主人公に据えたスピンオフは、有力な候補の一つだ。映画『ウィケッド 永遠の約束』のラストで魔法を使える新たなリーダーとしての成長を感じさせた彼女の物語は、ポップミュージックと共に新しいオズの冒険を彩る魅力的な素材として注目されている。
近年、原作者グレゴリー・マグワイアによるグリンダの過去を描いた小説『Galinda: A Charmed Childhood』も発表されており、ユニバーサルがこの作品を映画化する可能性も高い。加えて、新たなミュージカル要素を盛り込むことで、従来のファンと新規層の双方を満足させる布陣を整えられる点が評価される。
こうしたスピンオフは、ユニバースを拡大しつつも、元の二部作の完結感を損なわずに次世代の物語へ自然に繋げることが可能であり、制作側にとっても安全かつ魅力的な選択肢だ。
可能性2:エルファバの息子を描く『Son Of A Witch』の映画化
物語をさらに広げるもう一つの手として、エルファバとフィエロの息子リールを中心に据えた『Son Of A Witch』の映画化が挙げられる。この作品は、政治的に分裂したオズを舞台に14歳の少年が半ば失われた家族を探し求めるダークな冒険を描いており、原作小説では一層のダークファンタジー色を帯びている。
ただし、これまでの映画シリーズが比較的ファミリー向けであったことから、制作側は内容の調整を余儀なくされる可能性がある。とはいえ、エルファバの生存説や物語の未解決な部分を掘り下げる題材として、ファンの期待感を醸成する素材になるだろう。
可能性3:オズの国の起源に迫るプリクエル的展開
もう一つの可能性は、『ウィケッド』の世界観を根本から拡げるために、オズの国の誕生や魔法の起源を描くプリクエル作品の制作だ。
ハリウッドで支持されるプリクエル戦略を踏まえれば、オズという幻想的な世界の成り立ちに迫る試みは、既存ファンだけでなく新規層にも強くアピールする可能性がある。ただし、『ウィケッド』の核であるエルファバとグリンダの複雑な友情を描き出すことが難しく、物語のエモーショナルな土台を失うリスクも孕む。
それでも、壮大な世界観の背景を掘り下げる脚本が練られれば、ユニバース拡大には効果的な一手となり得る。この可能性は制作の初期段階で慎重に検討されていると考えられている。